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2025年に向けた時計収集への思い

スポーツウォッチからヴィンテージ、さらには独立系ブランドまで、手に入れた1本にはそれぞれの理由や物語がある。

そして、次の年に向けた目標や気になるモデルもさまざまだ。今年迎えた時計とは異なるジャンルに目を向ける者もいれば、同じ系統をさらに掘り下げようとする者もいる。

今回の記事では、2024年に手に入れた時計のエピソードと2025年の展望を、編集部5人がおもいおもいに綴った。今年最後のひとときに、それぞれの時計への思いと次なる目標を覗いてみて欲しい。

シチズン プロマスター エコ・ドライブ ダイバー200m

今年コレクションに加わったなかで特に思い入れのある1本がシチズン プロマスター エコ・ドライブ ダイバー200mだ。これまでドレス系の3針モデルが中心だった自分のコレクションに、新たなバリエーションを加えたいという思いから選んだ、初めてのスポーツウォッチである。

口コミ第1位のスーパーコピー 代引き専門店このモデルは、2023年にアメリカ市場で登場して以来ずっと気になっていた(日本での発売は2024年から)。春先に実機と対面する機会があり、その瞬間にこれだ、と直感的に感じた。決め手はケース径36.5mmというサイズ感だ。私の手首は女性の平均よりだいぶ細く、大抵の時計はラグが腕の幅からはみ出してしまうし、スポーツウォッチをつけるなんてもってのほかだった。これは手首にのせたときに、初めてしっくりきたスポーツウォッチだったのだ。

今年はこのシチズンをつけてたくさん出かけた。ダイバーズウォッチだから気兼ねなくガンガン使ったし、そんな使い方はこれまでしたことがなかったから、よくドアにぶつけたりもした。それも含めて、この時計は2024年の思い出がたくさん詰まった1本になった。

2025年は、というより今欲しいのはアンティークのブレスレットウォッチだ。今年、パテック フィリップのアンティークレディスカフウォッチを初めて見たのだが、その繊細なディテールや美しいメッシュブレスレットの質感に心を奪われた(詳しくは年始に公開される抱負の記事で述べている)。でも、まだまだ自分のお財布事情では手が届かない。

なので2025年も、自分の手首にぴったり合う新たなスポーツウォッチを手に入れたいと思っている。シチズンのプロマスターを通じて、小振りで実用性の高いスポーツウォッチのよさに目覚めたからだ。今のところ最有力候補は、タグ・ホイヤーのアクアレーサー プロフェッショナル 200 ソーラーグラフ 34mmだ。サイズ感と文字盤カラーが魅力的で(私はグリーンが大好き)、すでに心がかなりかたむいている。でもそれだけに絞らず、ほかにも新しい相棒を探したいと思う。

ただ、前提として私の手首に合うスポーツウォッチの選択肢は多くない。もしほかに36mm以下のスポーツウォッチをご存じの方がいたら、ぜひ教えてほしい!

ユニバーサル・ジュネーブ コンパックス“ニナ・リント”

今年を振り返ると、いくつかの時計をコレクションに加えることができましたが、そのなかでも特に思い入れの深い1本が、ユニバーサル・ジュネーブのコンパックス “ニナ・リント”です。これまで手にしてきたヴィンテージウォッチは、主に3針やデイト付きのシンプルなモデルが中心でしたが、僕は長いあいだヴィンテージの手巻きクロノグラフを所有してみたいという想いを抱いていました。現行モデルでは、スピードマスターのウルトラマンやシルバースヌーピーなどを所有していましたが、モダンなサイズ感よりも、やや小ぶりで装着感が良く、さらにストーリー性に惹かれるヴィンテージウォッチへの憧れが強くなっていたのです。

ニナ・リント

そんななかで手に入れたのが、ユニバーサル・ジュネーブのコンパックス “ニナ・リント”でした。この愛称は、F1ドライバーのヨッヘン・リントの妻、ニナ・リントが由来です。ヨッヘンは1970年イタリアグランプリの事故で命を落としましたが、死後にF1世界ドライバーズチャンピオンシップを制覇した唯一のドライバーです。この時計は、ニナがレーシングトラックで頻繁に身につけていたことから、彼女の名前で親しまれるようになりました。

ツイストラグが特徴的な美しいスティールケースは直径36mmで、まさに僕にとって理想的なサイズ感です。サブダイヤルは経年変化によりわずかにブラウンに色づき、1960年代に製造されたクロノグラフが持つ歴史と個性が表れています。内部には名クロノグラフキャリバーのバルジュー72を搭載したまさに僕が求めていたヴィンテージの手巻きクロノグラフでした。この時計を友人から譲り受け、今年開催されたユニバーサル・ジュネーブのポールルーターのトリビュートモデルのリリースイベントにも連れていきました。

アノマ ウォッチ A1

ロレックス バブルバック

実は2025年の最初の1本となる時計はすでに決まっています。それはアノマ ウォッチ A1です。編集部では、いち早くNaoya Hida & Co.を取り上げたり、大塚ローテックの時計を購入したりと、独立系やマイクロブランドに対する熱意を持っていますが、アノマウォッチについては特に思い入れがあります。A1の開発段階から創業者のマテオ氏と直接やり取りをし、Watches & Wonders期間中にはプロトタイプを見せてもらう機会にも恵まれました。

おそらく来年も、こうした情熱を持った作り手が手がける小規模なブランドの時計を手にするでしょう。そして、もうひとつ個人的に絶対に手に入れたいと思っているのが、ロレックスのバブルバックです。1930年代初頭から1950年代中頃にかけて製造されたこの時計は、コンディションの良いものを見つけるのが非常に難しいですが、その豊富なバリエーションと奥深さは、時計収集の楽しみを改めて教えてくれる特別な存在です。2025年のあいだにぴったりのものが見つかるかはわかりませんが、探し出す過程も時計収集の醍醐味ですよね。

タイメックス ジョルジオ・ガリ S2 オートマチック

2024年に手に入れた時計は、例年になく少なかった。考えてみたら、この時計だけだ。タイメックス ジョルジオ・ガリ S2 オートマチックである。嬉々としてつけていたわけではなかったものの、周囲からの評判は思いのほかよかった。グロッシーなオニキスブラックカラーのダイヤルはカジュアルなタイメックスらしからぬ質感を持ち、リング状のステンレススティール製アワーマーカーとやや太めのドフィーヌ針を合わせたスタイルはミニマルでクリーンな印象を与える。SSを射出成型で肉抜きし、そこにインナーケースとケースバックにチタンを合わせたケースは38mmとほどよいサイズ感でつけやすかった。目盛りはアワーマーカー用の12個のみなので、正確な分や秒は読み取れないが、気分転換でたまにつけるのに重宝した。

2025年はさすがにもう少し時計を手に入れるつもりだが、次に手にする時計はクロノグラフ以外にしようということだけは心に決めている。というのも、普段愛用しているスピードマスター '57 1957 トリロジーを不注意で水入りさせてしまい、しばらくオーバールに出す羽目に。クロノグラフということもあって想定外の出費となってしまったからだ。“クロノグラフでなければ、出費が抑えられたのに…”。そんな経験から、次は維持がしやすい時計にしようと考えたわけである。あまり水入りを気にせずに使えるダイバーズウォッチか、日常的な利便性に優れるGMTウォッチか。このどちらかにしようと思っているが、今のところの有力候補はチューダーだ。もしかしたら2025年の新作を見て心変わりをしてしまうかもしれないが、しばらく感じることがなかった時計に対するブツ欲がようやく湧いてきている。

ファーラン・マリ メカクォーツ・クロノグラフ ハバナサーモン

ソニーのカメラとレンズ、リモワのスーツケースにリングヂャケットの一張羅と、今年はひたすら時計以外のもので散財していた。もちろんそれらはプロダクトとしてどれも素晴らしく、長い目で見て自分への投資にもなったと思う。そしてその帳尻を合わせるように、時計は手ごろなポストヴィンテージ期のものをいくつか手に取るだけにとどまった。しかしその分、ユニークで価値のあるものを厳選したつもりである(ブリガリのディアゴノ スクーバ クロノグラフ、ジェンタデザインのセイコー アシエなんかは、我ながらいいチョイスだったと思っている)。写真のファーラン・マリのメカクォーツ・クロノグラフ ハバナサーモンも、そのダイヤルカラーに惹かれて今年譲ってもらったものだ。時計自体は2021年にKickstarterで展開されたファーラン・マリのデビュー作で、当時5万7000円で販売されていた。この時計は発売からまもなく二次流通市場で20万円を超える高値で取引されるようになり、その後機械式3針モデル、機械式クロノグラフを展開、さらにOnly Watchに出品されたセキュラーパーペチュアルカレンダーを開発し、ブランドは着実にその存在感を示し続けてきた。

前評判でファーラン・マリの作りのよさは聞いていたが、実物を見ると想像以上だった。丸みを帯びた繊細な形状の曲げ針は価格以上の価値を感じさせてくれたし、ケース、ベゼル、裏蓋を別体としてそれぞれに研磨を施す細かな作り込みは高い満足感を与えてくれた。この時計をきっかけに僕はマイクロブランドに注目するようになり、決してマスではないユニークなモデルの数々に魅了されていったのである。ちょうどシェイプウォッチに注目が集まり始めたタイミングでもあり、トレダノ&チャンやアノマウォッチを本気で検討したりもした。今年登場したばかりのアルテラム ワールドタイマーも素晴らしい! 独創的で複雑なワールドタイムをダイヤル上でミニマルに表現したこの時計は、予算さえどうにかなればチャレンジしたいと思っている。

そんなわけで、今年は1年をかけていろんな時計に浮気を繰り返してきた。そのうえでこの年末、自分のコレクションを振り返ったときに思ったのは圧倒的な王道が欠けているということだ。それは時計そのものだけでなく、“体験”的な意味も含んでいる。高級時計店に赴いて接客を受け、目当てのモデルの在庫に一喜一憂し、緊張しながらカードを切って恭しく納品を受ける。そのように苦労して(当たり前のことなのだが)王道ブランドの現行で1本持つことが、自分の自信にもつながるような気がしている。具体的にはそう、ロレックスだ。恥ずかしながら、まだ1回も所有したことがない。今、“何を買うべきか”のヒアリングを周りにしているところだが、個人的にはエクスプローラー(ゴールドコンビもいい)、もしくはGMTマスター IIを狙っている。来年中の購入を目指して、今から少しずつ購入資金を積み立てようと思っている。

クレドール ロコモティブ GCCR999

皆さん聞いて! 僕もカルティエ以外の時計を買うことがあるのだ(笑)。それは、今年の始めごろから焦がれ続けたこの復刻ロコモティブが放つ魅力のせい。この時計はもちろんジェラルド・ジェンタによるオリジナルのデザインスケッチを忠実にトレースして、初代モデルよりも遥かに手の込んだディテールを、しかもチタンケースに詰め込んだことが最大の特徴だ。ただ、僕が実際に手にして共に過ごした結果、感動したのはそこではない。デザインや設計、ディテールとすべてが噛み合った時計とはこうも素敵になるのかと感じたのだ。

まず、この時計が搭載するムーブメントはクレドール専用のCal.CR01。日差±15〜-10秒、約45時間のパワーリザーブという必要十分な性能ではあるが、かつてはクォーツを搭載していた初代ロコモティブのケース厚とほぼ同じプロポーションを実現するため、極薄のタイム&デイトムーブに仕立てられた。国産時計でかつて顕著だったムーブメントありき、機構ありきのパッケージというより、ジェンタによる圧倒的なデザインがムーブメントをこうしたパッケージへ導いたという印象だ。なお、機械式への変更に伴って、針もより長くリッチな仕上げのものへとアップグレードされたという副産物もある。そう、このように時計の設計というのは機構だとかデザインだとか単独で決まっていくのではなく、すべてが連動しているのだと、改めて気付かせてくれた時計なのだ。

オリジナル(右)と現行(左)。ロレックス時計コピー 代金引換優良サイト洗練度は格段にアップしているが、どちらを選ぶかは好みの問題という気もする。“良い時計”としては現行だが、“好きな時計”となるとオリジナルも捨てがたいのだ。

さて、セイコーがクレドールにおいて発揮しているクリエイティビティはホンモノで、さらに海外勢からの注目度も高まるだろう(もちろんグランドセイコーとの明確な差別化など課題はあるにせよ)。今年は現行モデルの素晴らしさ、現代の時計づくりの良さを身を以て体感できたと感じている。であれば、来年はもっと時計を楽しむことに没頭してみたい。良さばかり追いかけずに、どんな着け方をしようかとワクワクする、カルティエのベニュワール バングルのような時計。好みの経年劣化をした、ロレックス デイデイトのようなヴィンテージウォッチ。他にも70年代のブレゲ、90年代のショーメとかボチボチ注目しているテーマはあって、いずれもまだ大勢の人が注目しているというより、コアな部類に入る趣味の時計と言えると思う。

やはり、何か新しい発見ができたり、自分の時計遍歴のなかで点でしかなかった古いものと新しいものが、突然に繋がったりするのが楽しいのであって、そういう没頭をもっと感じてみたい(例としては、カルティエにのめり込んだからこそ、70年代以降のフランス的なものが自分にとってリンクしてきている)。