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平成24年度(第11回)高齢者障害者の権利擁護セミナー実施報告

3月16日(土)、旭川市大雪クリスタルホールにて「平成24年度高齢者障害者の権利擁護セミナー」(主催:旭川弁護士会高齢者障害者権利委員会・公益社団法人成年後見センター・リーガルサポート旭川支部・社団法人北海道社会福祉士会道北地区支部・日本司法支援センター旭川地方事務所(法テラス旭川)・旭川市)が開催されました。「高齢者障害者の権利擁護セミナー」としては今回で11回目となりますが、今年度は旭川市とも共催となって、「旭川市成年後見制度講演会」としても位置づけて開催しました。
旭川市内を中心にしながらも、遠方からの参加者もちらほら見られ、約290名の方が参加した今回のセミナーでは、最初に旭川家庭裁判所の次席家庭裁判所調査官椎野肇氏から、「成年後見制度 ~高齢者や障がいのある方の生活や財産を守るために~」と題して、成年後見制度の概要や実際の申し立て手続きの流れ等を説明していただきました。
続いて、上川圏域障がい者総合相談支援センター~ねっと~の山形千都子氏から、「障害者虐待防止法と地域での取り組み」と題して、障害者の権利擁護や障害者虐待防止法の概要について説明いただいたほか、虐待はどのようなものがあってどのように起きてしまうのか、上川圏域での虐待防止の取り組みの内容等についても説明していただきました。
若干の休憩を挟み、弁護士・司法書士・社会福祉士の専門職有志による、成年後見制度の活用が見込まれる事例を題材にした寸劇「こうして権利は守られた」が披露され、社会福祉士会からは早苗会員と綱渕会員が出演しました。一般の人にはなかなかなじみの薄い成年後見制度を、身近にありふれた事例を元にして理解することの出来る寸劇になったのではないかと思います。
休憩を挟んで最後に、「みんなで支える成年後見制度」と題した座談会を実施し、あさひかわ法律事務所の東明香弁護士、岡田新経司法書士事務所の岡田新経司法書士、(社)北海道社会福祉士会権利擁護センターぱあとなあ北海道運営委員の平川俊彦氏(社会福祉士)、旭川市福祉保険部次長の天野裕次氏にご登壇いただき、旭川大学保健福祉学部コミュニティ福祉学科教授の白戸一秀氏(社会福祉士)の進行により、成年後見制度のあり方や活用についての議論を深めていきました。
また、セミナー後の懇親会には、関係団体の会員など約30名の参加があり、夜遅くまで交流が深められました。

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制度説明の講師
旭川家庭裁判所次席家庭裁判所調査官 椎野肇氏

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講演の講師
上川圏域障がい者総合相談支援センター~ねっと~ 山形千都子氏

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寸劇の様子

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座談会の様子

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会場の様子

上川中部ブロック活動『第11回ワーカーズ・サロン』実施報告

道北地区支部としては上川中部ブロック活動として位置づけている『ワーカーズ・サロン』ですが、第11回を2月27日に、旭川市の市民活動交流センターCoCoDeにて開催しました。
第11回のテーマは『対人援助職として悩むこんな時・・・』としました。今回は「ワールド・カフェ」という方式を取り入れて「楽しむ」ことも目標のひとつとし、色々な『題目』を挙げ、各グループ席替えを行いながら話しをしました。
当日の参加者は、当協会社会福祉士や非会員、MSWとして働く方やPSW(精神保健福祉士)など、他職種他団体含めて27名の参加となりました。色々な題目の中には、「利用者最善の利益と支援の方向性の対立について」という専門職として考え悩むことから、「旭川の人口流出についてどう思いますか」という地域の話題まで、色々なことについて話し合い、新たな発見やネットワークづくり、そして「楽しむ」ということを共有した時間でした。
今年度は今回で最後となりましたが、次年度もリラックスした雰囲気の中で、自分たちの意見を話し合い、情報の共有や発見、ネットワークづくりの出来る『サロン』という形を継続しながらも、新たな取り組みを行っていきたいと思っています。

上川南部ブロック活動研修実施報告

2月23日(土)午後、富良野市の地域交流ホーム北の峯山荘において、上川南部ブロック活動として研修会・情報交流会を開催しました。当日は会員5名、有資格者2名の計7名の参加がありました。
上川南部ブロックは、南富良野町社協で以前から法人後見を受任されており、数年前のブロック活動でも南富良野町社協での成年後見の取り組みについて研修会を開いた経緯があり、次年度から富良野市社協でも法人後見を実施することとなるため、今回の研修会では富良野市在住の方の成年後見人を受任されている旭川市社会福祉協議会の箭原実氏(ぱあとなあ道北会員)を講師としてお招きし、「富良野市の成年後見制度について」と題して実施しました。
研修では、講師の箭原氏が今まで受任された3件のケースについて、受任された経緯から後見内容、後見終了(1ケースは現在も後見を継続中)までのことについて、説明していただきました。少人数であったことや、事前に、箭原氏から随時質問などをしても構わないことが伝えられていたためか、参加者からは積極的に質問や意見などが出ており、その都度丁寧に説明をしていただきました。箭原氏からは、後見人活動を行っている中で感じられる課題として、親族がいないケースの死後の準備や、逆にいる場合の準備、被後見人の家族も視野に入れた支援計画、障害者・未成年後見の場合の後見人の責務(後見人の方が先に老いてしまう)、施設利用者の成年後見人の施設との信頼関係の構築、QOL向上への想い等、多くの課題を抱えていることについて話があり、参加者からも今後の法人後見の活用、他職種との連携の重要性等、多くの議論があがった研修となりました。研修の中では次年度のブロック活動の計画を立てる時間も予定していましたが、予定時間を超えてもさまざまな視点からの意見や課題があげられた研修会となりました。

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また、研修会終了後に場所を移して行った情報交流会では、講師の箭原氏も最後までお付き合いいただき、各会員・有資格者が抱えている悩みや現在の状況、また、上川南部ブロックとしての今後について熱い議論が交わされ、数少ない上川南部ブロックの会員ではありますが、今後についても情報交流の場としてブロック活動を継続できればという結論に至りました。